music

たなかさんが淹れてくれた珈琲

いつから好きになったのだろう。
そのタイミングは曖昧なことが多いけど、
珈琲を好きになったときのことは、
はっきりと覚えている。

2007年の9月、
千歳船橋にある珈琲工房ホリグチで、
深煎りのマンデリンを飲んだときのこと。
運んできてくれるときから香りが広がり、
口に含むと、頭の奥まで、しーんとする、
生まれて初めて感じる心地よさ。

そのときのことを voice に書いていて、

「日々を過ごす中で、
 僕には知らないことや
 分からないことが山ほどあって、
 そのことに向き合うたびに、
 不安になったり心細くなってしまう僕ですが、
 珈琲工房ホリグチの深煎りの珈琲を飲みながら、
 知らないことに出会うことの
 素晴らしさを感じていたのでした。」

という、うれしい気持ちになっていたのでした。

*

そんな、すてきな出会いを引き寄せてくれた、
そう、珈琲工房ホリグチを教えてくれたのが、
百景のドラマー、たなかけんさんでした。

そのたなかさんが、先日、
「赤のブレンド」を発売しました。
よい香りがしてきそうなブレンドですが、
実際は、よい音楽がブレンドされています。


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この作品、僕もrec、mixエンジニアとして、
全面的に関わらせていただきました。

生ドラム、ギター、ベース、電子音が、
絶妙に絡み合う、全12曲。
バラエティに富んだすばらしい曲たちを、
1つの作品にミックスしていく作業は、
なかなか時間がかかりましたが、
そんな膨大な時間も忘れてしまうほど、
有意義でわくわくした制作期間でした。

そして、とても味わい深い、
大切な1枚に仕上がりました。
自分の作品が仕上がったときのようなうれしさ。

休憩のとき、たなかさんが淹れてくれた珈琲、
ほんとうにおいしかったなあ。

*

たなかけんオフィシャルウェブサイトで、
試聴や、一曲無料ダウンロードができるので、
ぜひチェックしてみてください。

そして、6/18(土)には、
三鷹 おんがくのじかんにて、
リリース記念のライブがあるそうです。
この日は、なんと、来場者全員に
『赤のブレンド』をプレゼントという、
びっくりするほど太っ腹なこのイベント。
ぜひぜひ、オススメです!

たなかけんオフィシャルウェブサイト
http://tanakaken.net

灯りひとつない贅沢な時間

2泊3日で、尾瀬に行ってきました。
近々オープンされる、
アウトドア関連のwebサイト音楽を
担当させていただいていて、
その関係で、尾瀬ハイキングを
ご一緒させていただきました。
あー、しあわせ。

紅葉が真っ盛りな尾瀬の自然を眺めながらの木道は、
なんとも、豊かな気持ちに。

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宿泊は尾瀬ロッジ。
ここで過ごした時間も、心に残るものでした。
20:30に消灯という時間の流れ。
白いご飯がとてもおいしく感じる夕食の時間。
そして携帯の電波がまったく入らない、不思議な感覚。

携帯やインターネットの普及で、
様々なことが便利になってきているということに対して、
特別、否定的な思いを抱いたりということはないけれど、
そこから得られる
「つながり合っている」感覚というものの、
意味や形、そして、どのくらい確かで大切なものなのか、
そういったことを、ほんのいっときですが、
外側から眺めることができたような気がしました。
山小屋の窓の外にひろがる、
灯りひとつないほんとうの暗闇と静寂を眺めながら、
なんとも贅沢な時間の流れを感じました。

帰り、新幹線で大宮に到着すると、
人の多さにびっくりする。
油断すると人にぶつかってしまいそうで、怖い。
尾瀬の環境との違いに驚きました。

*

そんなこんなで、今晩はというと、
代官山unitまで、オールナイトのイベントに
行ってくるわけで、ちょっと心配です。
昨日の人混みでの驚きに加え、
元々、オールのイベントはあまり楽しめない自分。

でも、そんなこともさておいて、
観にいきたいというわけは、
9年ぶりに聴いたovalの新譜が、
とても素晴らしかったから。

ゆらりゆらりと楽しんできます。


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パジャマらしいパジャマ

早朝の澄んだ日差しに憧れながらも、
寝起きの悪い僕は、なかなか朝から活動ができない。
前日、寝るときまでは、早起きする気持ちがあふれているのに、
朝になると、どうしても。

どうしたら、このよろしくない習慣から抜け出すことができるか。

そこで、思い付いたのが、ちゃんとしたパジャマを着て寝て、
翌朝は、すぐに着替える、という方法。

これまで、家にいるときは、
ルームウェアという類いのものを着ていて、
そのまま就寝、翌日は、出かけるまでその服装でした。

いつからだろう、パジャマを着なくなったのは。
思い返すと、それは、中学一年生のときに経験した、
寮生活のタイミングだったと思います。
確かに、小学生のころまでは、パジャマを着ていた。

でも、寮生活で、上級生のほとんどは、
部屋着がパジャマだったのです。
その影響で、パジャマという存在が僕の中から失われていたのです。

ちなみに、懐かしい思い出ですが、
中学一年生の決められた仕事のひとつに、
ブタ当番がありました。ブタの餌やりや、ブタ小屋の掃除。
ブタ小屋の匂いは相当過酷なので、
豚着(とんぎ)なるものを着用するのですが、
なんと、豚着で就寝していた強者までいました。

euphoria3人が過ごした寮生活には、
一般人の度肝を抜くようなエピソードが満載なのですが、
話がそれてしまうので、またの機会に。





ということで、パジャマらしいパジャマを買いにいきました。
さわやかな歯磨きのCMでモデルの人が着用しているような、
ちゃんとボタンがついていて、ちょっとゆとりがある作りのものです。

でも、意外と、イメージしていたのがなくて、
ボタン付きはあきらめることに。
変わりに、長袖Tシャツとスウェットですが、
素材と色合いが、いかにもパジャマな感じのものを購入。

そして、買ってきたその日から、それを着用して、
朝は、すぐに着替える、という作戦を決行。
これが見事に成功していて、
3日連続、朝の日差しを浴びながら、行動ができています。

わざわざパジャマを買ってしまった、という追い込みの心理が
一時的に働いている気もしていますが、、、
洗濯をして、コーヒーもじっくり煎れてしっかりとした朝食、
そして植物の水やり、といった、心地よさを実感することで、
朝から行動するという習慣、
しばらくは、続けられるのではないかな、と思っています。





パジャマつながりということで、
lullatoneの "Plays Pajama Pop Pour Vous" をオススメ。
本作のコンセプトは、なんと「パジャマ・ポップ」。
バスドラムの音が、枕を叩いた音( ! )のサンプリングだったりします。
少ない音数で、充実した音楽です。

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lullatone "Plays Pajama Pop Pour Vous"

気高い人へのあこがれ

「必要以上のことはしない、しかし逃げもしない、
 他のいろいろな味付けでごまかさない。
 私はその性質を、その強さも弱さも含めて一言で、
 言いあらわせるように思う。彼女は気高い人だ。」

吉本ばななの “明るい夕方” という短編での一節。

今の僕からは、ほど遠い、この彼女の存在。
僕は、こんな人に対して、強いあこがれを持っています。
自分がそうなりたい、理想像とでもいうのかな。

そして、同時に、
この彼女の存在のような曲を書くことができたら、
この彼女の存在のようにライブをすることができたら。
どんなに素晴らしいことだろう、と思うのです。


ジョアン・ジルベルトの "声とギター" という、
僕のお気に入りのアルバムを聴きながら。
気高い人について、さまざま思いを巡らせています。

*

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João Voz e Violão / João Gilberto

吸い込まれゆく音のひびき

朝、目が覚めると、
外の景色は、しーんと静まり返っている。

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あらゆる音が、雪に吸い込まれていく、
そんな響きを味わいながら、
あたたかなコーヒーをのむ。
なんとも至福のとき。

お昼過ぎに散歩に出かける。
家のすぐ近くの森林公園にも、
(organic stereoの楽曲や、euphoriaのライブSEで
ときどき登場する、環境音の多くはこの場所のものです。)
うっすらと雪が積もりはじめていました。

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ヘッドフォンから聴こえるのは、
雪のように儚く、美しい、女の子のうたごえ。
そういえば、昨年に東京で雪が降ったときにも、
この音楽を聴きながら、外を歩いたっけ。
なんとも至福のとき。

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The Innocence Mission / Befriended

静けさが寒さを包み込む

部屋の灯りをおとして、
ストーブも消す。
静けさが寒さを包み込む夜に聴く、
"Comes a Time"
なんだか、じーんとこころが暖まるのです。

*

今宵はニール・ヤングのうたごえが心地よく響く。
"Comes a Time"という78年のアルバム。

ニール・ヤングって、強く激しいアルバムを作ったあとには、
ほぼ必ずカントリーアルバムを作っていて、
この作品は、そんなカントリーアルバムのなかでも特に、
ニール・ヤングが思う存分リラックスして
演奏している姿が目に浮かんで、
僕の大好きな作品です。

今日はぐっすり眠れそう。

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Neil Young "Comes a Time"