京都1. 旅の中で聴く音楽

旅をすることの中には、多くの魅力があるけれど、
僕は、目的地に向かう時間そのものが好きです。

池袋発の夜行バスに乗って京都に向かう。

消灯になるまでの間の2時間ほどは、本を読み
そして灯りが消えてからは音楽を聴く。

近頃、音楽を聴いていて、
きれいだな、斬新だな、上手だな、
心地よい音だな、と思うことはあっても、
こころが震えるような瞬間は少なくなってきた。
でも、旅の中で聴く音楽は、
不思議な程、こころを揺さぶる。

思い返せば、この感覚って、中学高校時代には、
日常でも頻繁に湧いてきていたように思う。
そしてその感覚から生まれた曲は、
今でも演奏し続けている大切なものが多い。

見知らぬ土地、人との出会い、
初めて触れる出来事の多さ。
不安と楽しみが色濃く入り混じった、
そんなドキドキする気持ちが、旅の中にはある。

きっと、中学高校時代の多感な時期には、
これと同じような感覚が日常のあちこちに
ちりばめられていたのかもしれない。

歳を重ねて、知識が増えるにつれて、
見知らぬものとの出会いに対して
疎くなってくることがある。

よい音楽を作ろうと、
音の並びを学んだり、楽器の練習を
コツコツすることも重要。
でもそれと同じに大切にしたいのは、
旅をすることはもちろん、
日常の中においても、新鮮な眼差しで、
不安や楽しみをごちゃ混ぜにした気持ちを、
多く持ち続けるということ。

AM6:15、目覚めたら、京都に着いていた。

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京都2. はじめてのロケ地めぐり

京都3. ”その人”が出ている音楽