音とどう向き合うか

東京芸大の大学院修士課程1年生展を見に取出キャンパスまで。
大学時代の友人の発表を見るために。

彼とは、大学のときから、共感する部分が多くて、
ゼミが同じだったこともあり、
お互いの作品を聴きあったりして、
一緒に過ごす時間が多かったのです。

大学のときから、彼の作品は、非常に研ぎすまされていて、
そして、自身の音楽に向き合うまっすぐな姿勢に、
たくさんのよい刺激を与えてもらっています。

身体センサーからの信号入力をmax/mspでプログラミング、
その結果を、4スピーカーで出力するという実技発表は、
とても興味深い研究内容で、見入ってしまったし、
常設展示されていた、8つのスピーカーを用いた、
音響作品も、非常に繊細でありながら、
こころにせまってくるような強い躍動感があり、素晴らしかった。

なんというか、ものすごく几帳面に、
細部にわたって意識を巡らす、
その徹底した感覚は、ある種、
病的な雰囲気まで漂うのですが、
それでいて、まったく淀んだ感じを受けることがなく、
しっかりと外側にひらかれた世界観を感じさせてくれるのは、
ほんとうにすごいことだよなぁ、と感じました。

僕自身の音との向き合い方が、
まだまだ甘いなぁ、と感じるのと同時に、
もっと深く、ていねいに、音を扱っていきたいなぁと、
そんな気持ちになりました。

取出キャンパスは、だいぶ遠かったけれど、
足を運んでよかったなぁと思った、そんな一日。