銀メダリストの姿から

オリンピックを観ていると、
こらえることができないくらいに、
じーんとくる瞬間があります。

もちろん金メダルを穫ったときは、とてもうれしいのですが、
あと一歩で、金メダルを逃して、銀メダルというときのシーンに、
なんだか、じーんとしてしまうというか、震えがくるというか、
大きくこころが動きます。

このオリンピックに向けて、毎日のように、
僕たちの想像を遥かに超えた厳しいトレーニングを積み重ね、
ひとつひとつの試合に向かうプレッシャーと向き合いながら、
ときにはスランプになって、苦しんで、
思い悩んだり、それでも乗り越えたり、
そんな積み重ねの日々が、銀メダリストの姿からは、
特にリアルに、強烈に浮かび上がってくるのです。

金メダリストの涙からも、
それまでの苦悩の日々が伝わってきますが、
それとは別の次元といいますか、
観ていて、いてもたっていられなくなる感覚で、
思わずテレビ越しに、涙ながらの声援を送ってしまうのです。

柔道女子の塚田選手が最後までリードしていながら、
ラスト10秒ほどで、背負い投げされて金メダルを逃したとき、
僕のなかにたくさんの想像が生まれて
(勝手な思い込みも多いと思いますが)、
ぶるぶると震えてしまいました。

そして、翌日の朝刊で、
銀メダルを手にしている塚田選手の
とても清々しい笑顔を見て、
またまた、えらく、感動してしまったのでした。