2005年05月04日
続・アフォーダンス2
では、昨日の続きを書きます。
僕は学校の卒業勉強で子供の、特に「幼児の行動の特殊さとは何か」という事について研究してました。子供、特に幼児期等の小さい頃というのは、大人から見ると何とも面白い、こちらも予想出来ない様な奇怪な動きをします。しかしこの様な行動はもしかすると、アフォーダンス理論では説明出来るのではないかと考えました。アフォーダンス理論を中心に文献調査もしてましたが、その他に幼児の行動を実際にビデオ撮影しながら(怪しくないです)、研究してました。
それでその撮影した幼児の行動の映像を観察すると、彼らは自分たちが見たモノの対象に対して、必ず手で触れて、色々な触り方をしている事を発見しました。
例えば、池のレンガの囲いに穴が開いていて、池の水がそこから漏れだしている所があり、その穴に気づいたある幼児達は、ひたすらその穴に手を突っ込んで水の流れを止めたり、手を引っ込んで水がまた流れ出すのを見たり、または水を下から手で受け止めたり・・・という動きを、一言もしゃべらず繰り返し10分程続けていました。
またある幼児は道路にあるオレンジのミラー棒に捕まって、ひたすらぐるぐる回っていました(よく観察していると、それは回っている途中の位置によって「影」が見えたり消えたりするのを確認するための行動に見えたり・・)。
またある女の子はあじさいの花を見つけた瞬間、最初は花を優しく撫でる様に触り、それからいきなり花びらをちぎりだしたり・・・。
僕自身この様な幼児の行動を観察出来た事から、もしかすると幼児期というのは「言語的な知識」をまだしっかり学ぶことがない分、目や手などの身体を使って、遊びながら環境にあるモノの情報(言語以前の情報)を学習しているのでは、と考えたんです。研究は結局十分な証拠が見つけられないまま、それ以上は進められませんでしたが、アフォーダンス理論によってその様な発見もできて、とても良い勉強になりました。
この日記に書いたアフォーダンスに関する説明は、まだ氷山の一角でありもっと深い理論(というよりも僕は哲学とか、思想に近い気がします)であるので、ここには到底書ききれません。しかし最後に言っておきたいのは、アフォーダンスはあたかも魔法の様な理論に思えてしまいますが、「見ている対象が、見えているからそれなんだ」というのはホントに当たり前の事だと思います(「デザイナー」の中にはこのアフォーダンスをあたかも魔法の様に解釈している方もいるようですが・・・)。もしかするとアフォーダンス理論というのは、あらゆる物事の根本的な部分を見直していく時に、非常に参考になる理論であると思います。
やっぱり全然まとまってない・・・・。もし「なんだ、そりゃ??」て思った人ごめんなさい。分からなかった人は下の宛先にどしどし応募して、質問してね!カモーン、えぶりばでぇ〜何て事はさすがに言える自信もありません。。
僕自身も、まだまだ勉強足りませんから、アフォーダンスに関しては、ホント。難しい・・・。
もし興味を持った方がいらっしゃったら、日本のアフォーダンス理論の研究の先駆け的存在である、東大教授の佐々木正人氏の本が沢山出回っているので、呼んでみて下さい。佐々木正人氏の文献はほとんど目を通しましたが、実はどれも同じ事しか言ってません、この人・・・。他にもいろんな方が研究していますが、佐々木さんの本というのは「僕はさー、アフォーダンスはすぎょいと思うんだよねー、まじね。ホントね、ホントすごい理論なんだよ。分かる〜?ね?ね?僕が教えてあげるからさ」みたいな感じで読む人を引き込む文体です(笑)やっぱり一番人を納得させてしまうという意味で分かりやすいかなと思うので、読んでみて下さい。
とりあえず、長い間書くのを待っていた方、ホントすいませんでした
m(__)m