踊りだす音たち

家全体の大整理は、
これはもしや引っ越し以上の労働なのでは、
なんて思うほどの大変さ。

その作業も、終盤戦。

これまで10年近く過ごしてきた、
スタジオ兼、僕の部屋も、
このたび、移動することに。

これまでの部屋は畳の部屋に絨毯を敷いていたので、
耳がしんとなるほどに、音の響きがない、デッドな部屋でした。
ミックス作業は、だいぶクールにできるという
メリットはあったけれど、
楽器を弾いていて、または好きな音楽を聴いていて、
楽しい感じはあまりなく、
真剣に練習したり聴き込んだりに、適した部屋でした。

その部屋とは、まったく正反対の、
音の響きがめっぽう多い部屋に移動したのです。
ミックス作業でのモニター環境は、さまざま改善の余地がありますが、
アコギをさらっとつま弾いた感じは、最高。
ここから、また新しい曲たちと出会っていくことがたのしみです。

この部屋で音楽を聴くのも、今までになく心地よい。
音のひとつひとつが踊りだすかのようで、うれしくなってくる。
静かな夜、部屋移動の作業途中でしたが、
スピーカーから流れてくる、
フェデリコ・モンポウの静穏なピアノ曲が、
新しい部屋の響きと混ざり合い、思わずうっとり。
うっとりはいいですが、うっとりすぎて、そのままぐっすり。
固い床から目覚めた僕は、労働の疲労感と相まって、
相当な筋肉痛。


部屋完成まであと一息。