2002年09月22日
回想、北海道
久々に、自転車のメンテナンスらしきことをやった。
中1以来の付き合いの、濃いグレーのマウンテンバイク。
チェーンに油をさしながら、僕は、それで友達と北海道を1周した高1の夏を思い出していた。
よくもまあ北海道を1周しようなんて考えたものだ。
記憶は、次々によみがえってきた。
札幌から走り始めて、いきなりチェーンがゆがんでこげなくなったこと。
トンネルで、猛スピードの巨大トラックが後ろから近づいてくるとそれがもの凄い轟音だったこと。
左手に海、右手には原野を臨む道が、どこまでもまっすぐ続いていたこと。
スーパーの自転車置き場で、ダンボールの中で寝たこともあった。
15才だった僕は、ダンボールの優れた保温効果を知ったのだ。
「カーカー」というけたたましい鳴き声で起こされた朝、テントを出ると、なぜか外に出しっぱなしになっていた貴重な朝食、コーンフレークがあたり一面に散らばっていて、それを黒い鳥の集団が夢中でついばんでいる光景を目の当たりにして、言葉を失ったこともあった。
あの時のショックは忘れられない。
そういえばある晩、道端の寝床を決めた後で、銭湯の場所を向かいにあったドーナツ屋のおばさんに聞きに行ったことがあった。
1時間後、銭湯から戻ってきた僕らは、とめておいた自転車のハンドルにドーナツが山ほど入ったビニール袋がぶら下がっているのに気づいたのだ。
「毒入りだったらどうするよ?」とかいって微妙に警戒しつつも、飢えた高校生にとっては食べる方が先。
ドーナツ屋はもうシャッターを下ろしてしまっていたので、翌朝、僕らはお礼のメモを残してその場所をあとにしたのだった。
エピソードの全ては、ここには書ききれない。
思い返せば、なんとも濃い14日間だった。
日本地図で北海道を見ると、今でも時々、自転車で走ったことを思い出す。
あの時、北海道を1周しようと思ってよかった。
そう思う。