2002年05月20日
fantasmartyr
電車に乗るとき、
進行方向一両目の一番前が大好きだった、小さい頃の僕。
運転手さんの背中越しに、動く景色に目を奪われていた。
時にまっすぐで、時に緩やかな曲線を描く二本の鉄の筋。
遠くに霞む景色が、やがて近づいてくる。
そのスピードはどんどん加速し、すぐそこまで来た、と思うやいなや、
視界から消えていく。
最後尾で眺める景色もおもしろい。
先頭で見た景色の動き方が、そのまま巻き戻っているような感覚。
視界の縁から、次々と新しいものが飛び込んできて、
みるみる遠くなっていく。
今日、中央線でたまたま先頭に乗った僕は、
ふとそんなことを思い出した。
窓の外を眺める。
近づいては視界から消えていく景色。
不思議なことに、今でも、
その景色の動き方は新鮮に感じられた。
そして僕は、そのことに自分で驚きつつも、
少しほっとして、ため息をついてしまったのでした。
>本日の一曲 idlewild "Let me sleep (next to the mirror)"