人が音楽をつくるんだ

先日ビデオで録画しておいた、
情熱大陸を夕食を食べながら見る。

ミュージシャン斉藤和義さんの特集。
斉藤さんの音楽は、ほとんど知らなかったのですが、
新聞に、曲作りや一人多重録音の風景が〜、と書いてあったので、
お、なんだかおもしろうだな、と思って、録画しておいたのです。

ライブの楽屋の様子や、山中湖のスタジオでの録音風景、
デビュー当時に暮らしていた、吉祥寺のお散歩風景、などなど。

そのどの場所においても、斉藤さんの行動は、
ゆったりと心地よくて、柔らかいけど芯がどっしりしていて、
そんな雰囲気に憧れてしまいました。

とてもゆっくり、落ち着いてる。でも、ちゃんと驚くし、ちゃんと笑う。
かっこいいなぁ。

番組内のナレーションでは、
曲作り、一人多重録音の映像を撮り続けて気づいたこととして、
「決して頑張りすぎない彼は、けれど、絶対、手を抜かない」
とありました。

うん、そうそう、まさに、と思った僕は、同時に、
今年の初め、僕自身のテーマとして考えた、
「急がず、しかし遅すぎもせずに、気持ちのいい速度で、歩いてゆく」
ということばを思い浮かべました。

まさに、そのことばの映像を、見たような気がしたのです。

斉藤和義さんのCDをじっくり聴いてみたくなりました。

*

そうそう、先日は、
「或る音楽」という音楽ドキュメンタリーを
ユーロスペースで観てきました。
高木正勝さんが「Tai Rei Tei Rio」という作品を
作り上げていく過程を描いたドキュメンタリーです。

なぜヒトは音楽を奏でるのか、という視点に、
興味を持って、観に行きました。
素朴な佇まいでありながら、広く、大きく、ものごとを捉える、
そんな高木さんの姿勢が、すばらしいなぁと、感じました。

*

音楽性も、人間性も、活動するフィールドも、まったく異なる、
斉藤和義さんと高木正勝さんですが、
どちらも、その人間性がそのまま音楽に
なっているような印象を受けました。

素晴らしい音楽家は、人としてほんとうにかっこいい、
いや、人としてほんとうにかっこいいからこそ、
素晴らしい音楽ができるんだなぁと、
そんなあたりまえのようなことを、感じています。