とてつもない距離感と繊細なものの存在、そしてそれをつなげるもの

”The Stories Linger in My Mind” Release Partyでのライブ。

organic stereoとして、初めての長時間のステージということもあって、
それまでの連日のライブ準備の疲労や、当日の大きな緊張などで、
本番前には、激しい頭痛に襲われていて、
体調が、がたがたと崩れてきてしまい、
今日演奏できるのか、曲数を減らすべきなのか、
というほどまで、追い込まれた状況でした。

organic stereoの音楽は、しんどい表情で演奏するようなものではないので、
リハでは、出来る限りの平静を保って、それから、そそくさと、
渋谷の街を歩いて、バファリンを買いに薬局へ。
土曜の夜の渋谷の街の人混みは凄まじくて、めまいで倒れそうになりながらも、
路地裏に入って、ミネラルウォーターでバファリンを勢いよく飲み込む。
そのときに、その日初めて上を見上げたのですが、ビルとビルの隙間から、
ぼんやりとした明かりのまばらな星が見える夜でした。

それまで自分のすぐ近くのことしか目に入っていなかった僕が感じた、
ビルの隙間から見えた、まばらな星とのとてつもない距離感。
そして7th Floorに戻って、楽屋に届けて下さっていたお花の、
その細部にまでわたる繊細な美しさ。
そのふたつの存在が、驚くほど自然に、
僕のこころを穏やかにしてくれたのでした。

ステージに配置した機材の間に、いただいたお花を飾って、
演奏を開始する頃には、もうすっかりと、本調子に。
そして、会場の雰囲気のよさ、お客さんのあたたかな空気のおかげで、
のびのびと、こころをこめた演奏ができました。

ソロでのライブは、想像以上に、ハードなものでして、
準備段階では、自分のなかで、恐ろしいものを幾度も見たのですが、
それゆえに、今まで感じたことのないような、
大きなもの存在、繊細なものの存在、
そして、お客さんのこころ温まる存在に支えてもらっているという実感を、
身にしみて感じることができました。
あらやるものに対しての、感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、こんな弱々しい僕を支えて、演奏を手伝ってくれた、
トビナイくんとショウタくん、
最高にすてきな演奏をしてくれた三富さん、
そして、たくさんの力を貸してくれたレーベルスタッフの方々、
7th Floorのスタッフの方々、
ほんとうにどうもありがとうございました。

この日、与えてもらったことのひとつひとつを大切に、
これからの日々を過ごしていきたいなぁ、と思っています。

*

organic stereoとしてのライブは当分、未定なのですが、
次の機会には、さらに見応えのあるものにできたらと思っています。
よろしければ、ぜひ、頭の片隅で、たのしみにしていてください。